入社して1年もすると、徐々に仕事にも慣れてきて、会社の良いところも、悪いところも冷静に見れるようになってきます。
また、会社内での自分のキャリアについて考える余裕も出てきます。
そんな中で、社内では昇進のチャンスが無いことを悟ってしまったり、自分のやりたかったことと会社の方向性にズレが生じていて、現職に留まるかどうか悩んでいらっしゃる方もいるかもしれません。
そんな方は、転職活動の前にゆるく準備を始めることをおすすめします。
転職に焦りは禁物です。
焦って転職しても、新しい会社に馴染めず、転職を繰り返してしまいかねません。
この記事を読むと、『転職活動前にやっておくこと』が明確になります。
4年で500人以上を選考し、20代~30代を50人を中途採用してきた僕が元起業家の視点から、転職を考え始めたらやっておきたい事前準備について解説します。
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結論:20代での転職活動前にやっておきたい5つの事前準備はこれ!
転職活動を始める前に、この5つの事前準備をやっておくことをおすすめします。
- 職務経歴書を書き始める
- 自己分析をする
- 転職の方向性を決める
- 転職に備えてお金を貯める
- (勤務地変更を視野にいれる場合)持ち物をなるべく少なくする
これらをやっておくと、転職の成功確率が格段と上がります。
その理由について、これから解説していきます。
20代での転職活動前にやっておきたい5つの事前準備
1. 職務経歴書を書き始める
やっておくべき理由:その1
自分の経験業務を棚卸しして、やってきたことを魅力的に話せるようにするため
自分がこれまで今の会社でやってきた業務を棚卸ししていきましょう。
ひとまず担当した業務を入社から順に思い出していき、リストにしていきましょう。
入社してからこれまでに担当してきた業務の
- 『その業務を担当するに至った背景』
- 『出した成果』
- 『成果を出せた理由』
- 『工夫ポイント』
を書き出しましょう。
僕は500人以上の選考をしてきましたが、この4点を整理できていない人は非常に多いです。
せっかく素晴らしい業務成果を出してきたのに、書類で簡潔にアピールできていないばかりに書類選考落ちは悲しいですよね。
魅力的な職務経歴書を書くのには時間が掛かります。
まずは4つのポイントを箇条書きにして、徐々に磨き上げていきましょう。
やっておくべき理由:その2
職務経歴書を書くことが自己分析になる
これまでやってきた業務について振り返ると、自分の得意な仕事の傾向が分かってきます。
転職活動のときには、自分の得意な仕事を即答できると、選考通過確率が上がります。
採用側からしても「自分が得意なこと」をアピールされると、募集しているポジションでの活躍を予想しやすくなります。
2. 自己分析をする
やっておくべき理由
自分の得意なことや性格特性を転職活動に活かして選考通過率を高めるため
自己分析は職務経歴書を書く理由の1つでもありましたが、自分を知ることは、選考を通過する確率を高めます。
どんな思考をする傾向があって、どんなときに能力を発揮できるのか自己理解しましょう。
自己分析ができる→自分が活躍できそうな会社に焦点を定めて応募できる→的確な自己アピールができる→選考担当者が応募してきたあなたの活躍を予想しやすくなる
方法1:これまでの自分を振り返る
仕事を始めてからこれまでの自分を振り返りましょう。
- 現職を選んだ理由
- 現職での実績
- 現職での実績を残せた理由
ポイントは、「過去の自分の決断や行動を分析する」ことです。
過去の行動に対して、「なぜそう行動したのか」を繰り返していくことで、自分の大切にしている考え方や、幼少期などにあった原体験などにたどり着くことができます。
方法2:ビッグ・ファイブ理論で性格分析をする
ビッグ・ファイブは、心理学者のルイスゴールドバーグ氏が提唱した、「人間の性格は、5つの要素の組み合わせによって構成される」という理論です。
項目 | 説明 |
---|---|
開放性 | 想像力や拡散的思考、芸術的感受性の高さ |
誠実性 | 自己コントロール能力の高さ |
外向性 | ポジティブなことへの感情の反応度合い |
協調性 | 共感能力の高さ |
神経症的傾向 | ネガティブなことへの感情の反応度合い |
5つの要素のうち、どこが高くてどこが低いのかを分析してみましょう。
それによって得意とされる仕事なども分かってきます。
方法3:ストレングス・ファインダーで性格分析をする
より詳しく自分を知りたい場合はストレングス・ファインダーがおすすめです。
ストレングス・ファインダーとは?
米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツールです。Webサイト上で177個の質問に答えることで、自分の才能(=強みの元)が導き出されます。
34の性格特性のうちトップ5が見れる2,340円のものと、34つの全ての順位が見られる5,850円のものがありますが、おすすめは後者です。
3. 転職の方向性を決める
やっておくべき理由
自分が転職で「何を大切にしたいのか」を明確して、初めて応募する会社が決められるため
自分が転職するときに何を大切にするかによって、応募する会社は変わってきます。
『在宅勤務がしたい』のに、対面でのコミュニケーションを重視する会社に応募しても、応募通過率も下がりますし、在宅勤務は出来ません。
- どの事業領域の会社に行くのか
- 最低限維持したい収入はどのくらいか
- 特定の技術を極めたいのか、幅広い経験を積みたいのか
- 仕事量はどうしたいのか
- どんな人たちと一緒に働きたいのか
- 働く場所はどうしたいのか
これらについては予め自分なりの方向性を持っておきましょう。
4. 転職時の「万が一」に備えてお金を貯める
やっておくべき理由
転職した後の「万が一」に備えるため
転職は中途採用になるので、能力が重視されます。
会社によっては試用期間で採用見送りになるケースも無いとは言い切れません。
転職活動をしっかりとしていけばミスマッチも少なくなりますが、それでもこういった心配をしないために、万が一のためのお金は貯めておくことをおすすめします。
目安としては6ヶ月最低限生活していけるお金です。
- 出費を抑えて毎月いくらか貯金をする
- メルカリなどのフリマアプリで不要なものを売る
すぐに見直せる固定費については別の記事で紹介しています。
参考:30歳未満の失業保険が貰える期間(自己都合の場合)
勤務年数 | 失業手当が貰える期間 |
---|---|
1年未満 | 90日 |
1年〜5年未満 | 90日 |
5年〜10年未満 | 120日 |
5. (勤務地変更を視野にいれる場合)持ち物をなるべく少なくする
やっておくべき理由
転職に伴う引越しの初期費用や引越し費用を抑えるため
転勤を伴う転職を検討している場合は持ち物をなるべく少なくしていきましょう。
引越しは意外と費用が掛かります。
新しい物件の家賃、賃貸初期費用、引越し業者の代金などが掛かります。
なるべく持ち物を少なくして、小さい部屋に済むことで、出費を10万円以上抑えることも可能です。
参考:東京都新宿区の平均家賃
部屋の広さ | 平均的な賃料 |
---|---|
ワンルーム | 7.5万円 |
1K, 1DK | 8.9万円(ワンルームより1.4万円高い) |
1LDK | 14.3万円(ワンルームより6.8万円高い) |
参考:単身で県をまたぐ引越しの場合(〜200km)
荷物 | 平均的な料金 |
---|---|
荷物が少ない場合 | 約4万円 |
荷物が多い場合 | 約6万円 |
まとめ:自分を見つめ直すとともに、万が一に備えよう

転職を考え始めたら、すぐに転職活動を始めるのではなく事前準備をしましょう。
自分のこれまでを振り返り、自分の軸を明確にした上で、転職できる環境を整えると、転職は成功しやすくなります。
なんとなくで転職をしてしまうと、新しい会社でも馴染むことができず、またすぐに転職することとなってしまいます。
事前準備がある程度進んできたら、次は転職活動です。
見切り発車で転職活動を始めてから焦る前に、転職の成功に向けて着実に準備をしていきましょう。